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喪から生まれた喪々たろう

 『ももたろう』について考えていた。
 あの昔話とゆーかおとぎ話とゆーかの『桃太郎』ね。有名なやつ。
 なんでか夜にね。
 ふとんのなかでつらつらとね。
 おかげで少々ばかり寝不足です。
 三年寝太郎!

 ★  ★  ★

 まず『ももたろう』ってどんな話? と考える。

――――――――――――――――――
 桃から生まれた桃太郎が、犬、猿、雉をきびだんごで仲間にして、人々を苦しめていた鬼ヶ島の鬼を退治して、その鬼の財宝を持ち帰る話。
――――――――――――――――――

 ……なんかシンプルじゃない。
 余計な要素が多い。
 そんな風に感じたので、物語における『ももたろう』に不必要(無くても成立する)だと思える要素を、極力ハブいてみる。

――――――――――――――――――
 桃太郎が鬼を退治する話。
――――――――――――――――――

 おお、シンプル。
 まあ、そうだよな。
 やっぱ、なにはなくとも鬼は対峙しなくちゃ始まらないよな……だけど、ちょっと待て。
 鬼退治っていうほど重要な要素か?

 だってべつに盛りあがらないじゃん、鬼退治。
 いや、まあ、人々をこらしめていた鬼をブチ殺すだけで幼子のハートはドキドキなのかもしれないけれど。
 そもそも『ももたろう』って苦戦のひとつもしないんだよね。
 困難がない。
 鬼ヶ島にも船をどんぶらこっことこいで、あっさり上陸するし。
 その後の戦闘も、とくに苦戦することなく……ってゆーかよー、物語の基本、起承転結のラインでいったらよー、転の部分がなくね?
 いわゆる谷の部分。
 村上龍だっけ、春樹だっけ、そもそもべつの人だっけ、忘れたけれど、物語ってゆーのは簡単にいってしまえば、『穴に落ちた主人公が這い上がる話』なんだってだれかいってた。エライ人が。

 でも『ももたろう』って、まったく穴に落ちないよね。
 たとえば『さるかに合戦』。
 親ガニがサル野郎にブチ殺されるよね。
 渋柿ぶつけられて。
 そこから仲間の助けもあって、復讐してゆくと。
 親の死という穴から這い上がる。

 ……えーと、あ、そうか。
 鬼を退治しなくちゃいけないというのがすでに穴なのか。
 なにしろ鬼はチョー強い。
 だって鬼だから。
 なるほどなるほど……うーん?

 でも、ただ展開だけをシンプルに見ると、『ももたろう』って本当にスムーズに、するするーっと、なんの引っかかりもなく進んでいって……桃太郎が旅にでました。犬、猿、雉を仲間にしました。鬼を退治しました。財宝を得ました。
 ぶっちゃけ、RPGで冒険者がゴブリンを退治するのと変わらんよね。
 それでも、ロールプレイングゲームだと、だいたいみんなゴブリン戦はなにかしらの苦戦はするわけで、その困難を乗りこえたところに、カタルシスはあるはず……なのだが。
 ううーん。
 ノー困難。
 ノーカタルシス。

 ★  ★  ★

 『ももたろう』って、すくなくとも江戸時代から伝わっている物語らしい。
 Wikipedia調べ。
 そんな綿々と長く長く絶えることなく伝わるには、なにかとんでもない魅力がなきゃムリだと思う。
 はるか江戸の時代から(実際は室町幕府のあたりからとかWikipediaさんには記されてあったが)、おこさまたちのハートをつかみまくったのは、いったいなんなのか……。

 実際、『ももたろう』を読んでみて、カタルシスがないわけではない。
 いや、あるんだな。
 本来、物語の構造としては盛りあがらないはずなのに、実際はメッチャ盛りあがる。
 ノー困難なのに。
 なぜ?

 ★  ★  ★

 で、ここでぴこんぬとひらめいたのは、「あ、桃太郎だからだ」ということでした。
 「桃から生まれた桃太郎」だから。
 いってしまえば、ニンゲンじゃねーから、コイツ。

 ★  ★  ★

 よくよく考えてみるとスゲー主人公の設定だよね。
 だって桃から生まれてんだよ?
 人の股からじゃないんだよ?
 そんなアレな生まれの上、たしか超天才。
 一を教えれば自ずから十を知るってなぐあいに。
 鬼退治だってたしか桃太郎自身が自分で決めたんだよね。鬼退治志願。まったくもう。

 そんな異なる存在、桃太郎が道中で仲間にするのも、やはり異なる存在、犬、猿、雉。
 だってケダモノだぜ。
 フツーさあ、強い剣術遣いとかさー、人を仲間にしない?
 だけど桃太郎ったら犬、猿、雉なんてケダモノを仲間にするんだぜ。
 歩く生類憐れみの令。
 異なる存在は、異なる存在を仲間にする。

 異なる存在が異なる存在を仲間にすれば、やはり討伐する相手も異なる存在。
 鬼。
 だけど、たぶん、異質レベルがケタ違いだったんだろうね。
 たかだか頭から角が生えてて虎革ぱんつを穿いたムキムキマッチョどもは、半植物生命体のケダモノ遣いにボッコボコにされる、という。
 お。
 じつは『ももたろう』って俺TUEE物語?

 ★  ★  ★

 なので、先に述べた「桃太郎って冒険者がゴブリンを倒すのと変わらん」というのは間違いでした。
 ぜんぜん違う。
 正確にいえば……「桃太郎ってオークがコボルドとかスケルトンとか仲間にしてゴブリンを倒す話だよね」になる。はず。たぶん。じつはあんまり自信ないかも。

 つまりモンスターVSモンスターの構図。
 異物VS異物というか。
 これ、もし桃太郎が桃から生まれたんじゃなくて、フツーに人の親から生まれた主人公で、途中、仲間にするのも剣術遣いとか坊さんとか修験者とかで、退治するのも山賊だったりしたら、まず間違いなく江戸時代から現代まで伝わってないと思う。
 なんにも面白くないし。

 人外のモノが人外のモノを仲間にして人外のモノを倒すから、面白いのである。
 カタルシスるのである。
 困難とかいらんのだ。
 ゴジラVSモスラなのだ。
 人ならぬもの同士がぶつかりあうだけでドキドキなのだ。
 そこがフツーじゃない、『ももたろう』なポイントなのだ。

 ★  ★  ★

 結論。
 『ももたろう』ってどんな話?

――――――――――――――――
 人外のモノが人外のモノを仲間にして人外のモノを倒す話。
――――――――――――――――

 イエー!
 つまり、『ももたろう』を換骨奪胎するのであれば、人外要素は外せないということなんだね。

 以上、『ももたろう』について考えるの巻。
 ってゆーかアレだね。
 「オークがコボルドとかスケルトンとか仲間にしてゴブリンを倒す話」よりか、「オークがコボルドとかスケルトンとかゴブリンを仲間にして、冒険者を倒す話」のほうが面白そうな気がするね。オークは女エルフの天敵だしね。
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プロフィール

西野かつみ

Author:西野かつみ
西野かつみ(にしの かつみ)



もの書き。男。
第1回MF文庫Jライトノベル新人賞で佳作受賞。
2005年10月25日、受賞作の「かのこん」でMF文庫よりデビュー。
2008年3月現在、気がついたら「かのこん」を10冊以上出してた! びっくり!
いまのところまだ続く予定。



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これはドラマCDとは違うんですが。
アニメにともなって放送されたネットラジオを収めたもの。
耕太役の能登さんとちずる役の川澄さんがあまりに仲が良くて、聴いてるとにまにましますぜ。

アニメの後日談的内容。
ちょっとえっちでちょっぴりおバカ。かのこんの本質をあらわした内容でございます。

かのこん1巻の内容を声で。
「ああん、耕太くぅん……」「はわわわわ、ち、ちずるさぁん」どうんだうん。
聴いているとなんかこう、身もだえてしまう。だれだ、こんな甘々らぶらぶちゅっちゅっちゅな話を書いたのは! ああ、わたしか! ごめん!
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