えこ

書き殴り小説。
テーマ・「エコ」。
エロじゃないよ!


「太郎くん。ちょっと協力して欲しいことがあるんだけど」
「なんだい花子ちゃん。婚姻届の夫欄への署名なら、いいだろう。ペンはどこだい?」
「書きたいならいくら書いてもいいけど、受理してもらえないわよ? わたしたち、年齢的に」
「なあに、たかだか三年ぐらい、あっというまのことさ。ほら、いうだろう? 辛いことほど長く感じて、楽しいことほど短く感じるって。だからいちゃいちゃしよう! 毎日!」
「薄味的な意味でアメリカンなジョークはそこまでにして、だから、ちょっと協力して欲しいことがあるのよ」
「……冗談じゃなかったんだけど」
「知ってる。そんなことより、協力してくれるの? くれないの?」
「どうせまた、ロクでもないことなんだろう?」
「うん」
「そしてぼくは、きみの頼みなら断れないだろうことも……」
「うん、わかってる」
「だったら、訊く必要ないんじゃないかな?」
「あなただって、わざわざ婚姻届に署名させようとするじゃない」
「あれはほら、男のけじめ的な意味で……」
「それとおなじことよ。女のけじめ的な意味で、確認してるの。いちおう」
「じゃあ、いちおう、こっちも確認しておこう。……今回はなにをするわけ?」
「エコよ」
「エコ?」
「興味あるでしょう?」
「まあ……地球には優しくしなくちゃいけないよね。人類、みな兄妹だからね」
「いまあなた、兄と弟で『兄弟』じゃなくて、兄と妹で『兄妹』っていったわね?」
「ど、どうしてそのことがっ!」
「なんだってわかるわよ、あなたのことなら」
「Oh……これは結婚したら尻に敷かれること、確定だな……」
「敷かれるの、好きでしょう?」
「うん、好きだよ!(顔面騎乗的な意味で)」
「いまあなた、形容的な意味ではなく、実際的な意味で答えたわね?」
「……うん」
「あとで好きなだけしてあげるから。どう? 協力してくれる?」
「いいよ! あ、違うからね! 実際的な意味で尻に敷かれたいからじゃないからね! あくまでも地球のために……兄妹のためにだからね!」
「じゃあ、しなくてもいいの?」
「それはそれとして、お願いします」

★  ★  ★

「……あの、花子ちゃん?」
「なあに、太郎くん?」
「これは……なにかな? 床に描かれた、この……なに、図形?」
「見てわからない? 魔法陣よ」
「魔法陣……?」
「そう、魔法陣」
「……」
「……」
「あ、じゃあ、えっと、それは? その……なんか壺のなかで、ぐつぐつ煮えてる……」
「いろいろね。豚の頭とか、マンドラゴラとか、その他いろいろ、あんまり太郎くんは聞かないほうがよさげなモノ」
「へー」
「さ、さっそく始めましょうか」
「あ、あのっ!」
「なあに? まだなにかあるの?」
「これって……エコなんだよね?」
「そうよ?」
「なんか……エコっていうか、まるで悪魔でも召喚しそうな感じがぷんぷん……」
「あ、正解」
「はい?」
「じゃあいくわよー。えー、エコエコアザラクエコエコアザラク……」
「うっわー! まさか、もしかしてとは思うけど、それ!? そのエコ!? あざらく!?」
「我は求め訴えたりー」
「ぎゃーす!」

★  ★  ★

「……ねえ、花子ちゃん」
「なあに、太郎くん」
「どうすんの、これ」
「なにが?」
「だから、これ。この背中の羽」
「便利じゃない」
「そうだけど……でも家に帰って、どう家族に説明したもんだか……ある意味、タトゥーよりヒドくない? 息子が帰ってきたら、背中から羽を生やしちゃって」
「カッコイイわよ」
「そうかなー」
「そんなに嫌なら、使わなきゃいいじゃない。ぱたぱたぱたぱた、わざわざ地上から十センチくらい浮いちゃって。本当は気に入ってるんでしょう?」
「それはほら、せっかくだし……」
「そのしっぽだって。キュートよ」
「そうかなー」
「便利でしょう? 物もつかめるし。まるでお猿さんのように」
「お猿さんじゃなくって悪魔ですけどね」
「違うわよ?」
「え?」
「悪魔じゃなくて、デビルマンよ」
「……どう違うの?」
「悪魔は果汁百パーセント。デビルマンはハーフ&ハーフ」
「かえって中途半端な感が」
「とにかく、がんばってね」
「うん、がんばるよ……って、なにを?」
「いったじゃない。エコよ」
「……は?」
「地球はいま、危機に瀕してるの……だから救いましょう。エコ的観点で!」
「まさかとは思うんだけど」
「うん。人類抹殺しよ?」
「そんな笑顔でいわれてもー」
「これぞ究極のエコ!」
「そんな力まれてもー」
「ある意味、究極のエゴ……!」
「そんな得意げな顔でほくそ笑まれてもー」
「もちろん冗談よ?」
「ああ、よかった……って、じゃあ、どうしてぼく、こんなデビルなマンに……」
「そうね……とりあえず……」
「とりあえず?」
「帰りましょ。家に」
「えー」
「だいじょうぶよ。ご家族には、わたしから説明してあげるから……もうパパさんもママさんもペルもミケも慣れっこでしょう。前のときとくらべれば、なによ、デビルマンくらい」
「まあ……前はアメーバになったり女の子になったりロボット三等兵になったり電子の海をたゆたったりしたからねえ」
「じゃ、ほら、乗せて。せっかく羽もあることだし、飛んで帰りましょ」
「へーい」
「帰ったら、約束を果たしてあげる」
「うん? 約束?」
「忘れたの? ほら、尻に敷く……」
「忘れてないです! 無論!」
「きゃっ! ちょ、ちょっと……速い、速い! ……わー、サラマンダーよりはやーい」
「やめてー。それやめてー」



「エコかと思ったらエコエコアザラクだった」という一発ネタのみでだらだら書いたった。
だらだら。
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プロフィール

西野かつみ

Author:西野かつみ
西野かつみ(にしの かつみ)



もの書き。男。
第1回MF文庫Jライトノベル新人賞で佳作受賞。
2005年10月25日、受賞作の「かのこん」でMF文庫よりデビュー。
2008年3月現在、気がついたら「かのこん」を10冊以上出してた! びっくり!
いまのところまだ続く予定。



なにかご連絡がございましたら、こちらのメールフォームよりどうぞ。

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三等身のSDキャラがかわいいの。

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ドラマCD
これはドラマCDとは違うんですが。
アニメにともなって放送されたネットラジオを収めたもの。
耕太役の能登さんとちずる役の川澄さんがあまりに仲が良くて、聴いてるとにまにましますぜ。

アニメの後日談的内容。
ちょっとえっちでちょっぴりおバカ。かのこんの本質をあらわした内容でございます。

かのこん1巻の内容を声で。
「ああん、耕太くぅん……」「はわわわわ、ち、ちずるさぁん」どうんだうん。
聴いているとなんかこう、身もだえてしまう。だれだ、こんな甘々らぶらぶちゅっちゅっちゅな話を書いたのは! ああ、わたしか! ごめん!
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