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しすたー

近ごろ、ちまたでは妹萌えノベルが静かなブームらしいね!
柳の下にあと何匹どじょうがいるのかはわからないけど、西野センセイも流行りに乗ってみようと思って、一発、書いてみたよ!
喜んでもらえたら幸せだな!
(下の続きを読むをクリックしてね!)
(ちなみに微グロ注意だよ!)

妹が、欲しい。

いや、ちゃんと妹はいる。
実在している。
三歳下の、中学生の妹が、一匹、きちんとぼくの元には在った。
二次元ではなく三次元で。
リアルで。
だから、こんどの誕生日になにが欲しい? と両親に尋ねられて、「ぼく、いもうとがほしいよう」などと答え、「あら、やだ、この子ったら……」「うっ、おほん! ……そろそろ、どうだ? もうひとり」「もう、パパったら……(ぽっ)」なんていう三文芝居を演じる必要なんてなかった。

なかった、の、だが……。

★  ★  ★

「キモイ。そばによんないで。クサイから」
「……」

これである。
まったく、現実はいつだって残酷だ。
昔は「おにいちゃん、おにいちゃん」ってかわいかったのに……。
どうも、反抗期というものらしい。
ナマイキな。
おまえのようなものが、なに? 反抗期だと?
父親と母親に対してナメた口を利くならともかく、なぜぼくにだけそんな反抗的なんだ。
百歩譲ってキモイのは認めてもいいが、決してクサクなんかないぞ。
某シズカちゃん並みのお風呂好きだしね。
そう、決してクサクなんかない。
それでも心は傷つくんだ。
ティーンエイジャーのハートはデリケートなんだ……。

★  ★  ★

「だから、妹が欲しいんだよ」

と、ぼくは目の前にあらわれた悪魔に向かっていった。
あの悪魔である。
汝の魂と引き替えに、なんでもひとつ、願いを叶えてやろう……なんてことをいう、いまどきラノベにだってでてこない、いや、ひと回りして、逆に新鮮かな? と思えたりしないでもない、あの、ベタベタベッタな悪魔である。
その悪魔に対して、ぼくは願いをいった。
魂なんぞくれてやる。
どうせ死後の世界なぞ存在しないのだ!
そんなの常識!
ぱっぱぱらりら!

「えっと」

悪魔は、一瞬、呆気にとられたのが丸わかりなマヌケヅラをさらしたあとで、いった。

「それはつまり、妹さんの肉体を思うままに蹂躙したいと……そういうことですか?」
「違う」

こいつ、なにもわかっちゃいない。

「心だ。ぼくは、あいつの心が欲しいんだ。昔の、「おにいちゃーん、おにいちゃーん」なんていって、どこまでもあとをついてきた、あのころの純真なあいつのような、美しい心が欲しいんだ。いや、もちろん、付随的に肉体がついてきたとしても、当方はいっさいそれを感知しないが」
「あの、もうちょっと具体的に……」
「これを読め! 観ろ!」

ぼくは、悪魔の前に置いてやった。
いわゆる、『妹萌え』と呼ばれるジャンルの、漫画、ラノベ、ブルーレイ……それら、もしかしたら妹がいまのような態度を兄に対して取るようになった原因かもしれない各種資料を、どさっと。てんこもりで。山盛りで。おかわりだってイケルぞ!

「えっと……」
「すべて眼を通すまではゆるさんぞ。だいいち、今日日の悪魔が妹萌えのひとつもわからんで、世の中を渡っていけるとでも思っているのか。そんなことじゃ願いのひとつも叶えられんぞ。ん?」
「エライとこにきちゃったなあ……」
「ほれほれ。まずはこのあたりがオススメだな」
「みゆき……ですか?」
「うむ。妹萌えの古典といえよう。あだち先生は偉大だな」
「はあ。しかしあなた、わたしのこと、あっさり受け入れましたな? 驚くでもなく。悪魔なのに」
「悪魔ごときでジャパニメーション世代が驚くか。アニメ舐めんな。だいたい悪魔とか、その名称自体がもう設定的に古いんだよ。すこしはひねれ」
「ひねる……参考までに、どんな感じでしょう」
「そうだな……たとえば、ディアブロとか」
「それって、『悪魔』をイタリア語にしただけじゃないですか?」
「おろかものめ。オサレでさえあればよいのだ。こんなものフィーリングだ。フィーリング」
「ふぃーりんぐ……」

★  ★  ★

「おにいちゃーん!」

顔をあわせるなり、妹は顔を紅潮させ、眼はうるませ、身体はふるわせ、そして、熱い吐息をこぼしたと思ったら、いきなり飛びついてきた。

「すき! すき! すきすきすきすき……しゅきー! ちゅきちゅきー!」

お、おおう! おおう!
悪魔の野郎、なかなかいい仕事しやがるじゃねえか!
ちょっとばかりアグレッシブすぎる気もするが、それは「にょほおおおおーん! おにいちゃんの○○で、あらし、○○しちゃうのおおおおー!」なんていってヘブンしてしまうアグレッシブな実用書を読ませてしまったこちらの不手際!

「おにいちゃん……おにいちゃんは、わたしのこと、ちゅき?」
「あ……ああ! もちろん、好きに……愛してるに決まってるじゃないか!」
「ああ……わたしも……わたしも、おにいちゃんのこと……好き……好き……好き……もう……食べちゃいたいくらいに……」

むほー!
いきなりこの展開っスか!
まあいいけどいいんだけど!
でもここはちょっと、もうすこしばかり情緒っていうかツンデレ的展開っていうか、イベントが欲しいカナー、なんて……まあ、そのあたりはアペンドディスクに期待すればいいか!

「おにい……ちゃん……わたし、わたし……もう、ガマン、できないよう……」

あいつの顔が、近づいてくる。
ぼくはたまらず、眼を閉じた。
だって初めてだし。
ティーンエイジャーのハートはデリケートだし!
期待に胸をどっかんどっかん、すっかりキャッチされてしまったハートを高鳴らせながら、そのときを待つ。

「いいよね? おにいちゃん? わたし、食べちゃっても、いいよね?」

もちろんさ!
さあ、早く、どんとこーい!

「おにいちゃん……」

そして、妹は、いった。
小さな声で、しかしハッキリと聞こえる声で、こう。

「いただきまーす」

と……。

え?

「かぷっ」

ええ?

「かぷかぷ、かぷっ。かぷぷっ。ぷぷっ。みちみち、ぐちっ、ぐちゃっ。ぶちちっ」

えええええー!?

★  ★  ★

眼下では、妹が、ぼくの肉体を思うままに蹂躙している。
むさぼっている。
比喩ではなく、直喩的な意味で。

「……おまえなあ」
「はあ。お気に召しませんでしたか」
「気に召すか! おまえ、『好き』の種類が違うじゃねーか! チーズインハンバーグが『好き』っていうのとおなじだろ、これじゃ! どこに萌えがあるんだよ、萌えが!」
「どうも、その『萌え』というのがイマイチわからなくてですね……」
「あー! もー、これじゃ氏賀○太じゃねーかよー! ぼく、グロいのはダメなんだよなー!」
「ところで、あの、契約のほうは……」
「ダメに決まってんだろ! クーリングオフだこんなもの!」
「えー。それじゃディアブロ困るー」
「さっそくディアブロ取り入れてんじゃねーよダメ悪魔。戻せ! 妹が三面記事に載る前に、早く元に戻せー!」
「しかし、おかしいなあ……こんな風になるはずじゃなかったんだけどなあ……」
「実際、こんな風になってるんだからどうしようもないだろう。あー、あー、あー。すっかりモツを平らげちゃって……だいじょうぶかなあ。最近、生肉で食中毒が流行ってるから……」
「ふむ……む?」

悪魔が、なにやら考えこむようなそぶりを見せた。
その視線が、眼下ですっかりケダモノとなっている……残念ながら性的な意味はまったくなく、いや、その筋の人にとっては性的かもしれないが、な妹の姿から、こちらへと移る。

「ちょっと失礼」
「ぬおっ」
「あ。やっぱり」
「な、なにをする!」

突然、ぼくの穿いていたパンツに上から指を差しこみ、なかに穿いていた下着のゴムごと引っ張って、悪魔の野郎、中身を覗きこみやがった。魂の状態でも服は脱がせられるらしい。わお。

「ダメですよ、お客さん……最初から教えてくれなくちゃ」
「な、なにをだ」
「だってあなた、おにいちゃんじゃあないじゃないですか。それじゃあ上手くいく訳がない」
「せ……精神的にはおにいちゃんだぞ!」
「肉体的にはおねえちゃんじゃないですか」
「わ、悪かったな、ぼくっ娘で! つーか、気づいてなかったのかよ!」
「いやあ、最近は中性的な人が多くて……ディアブロ界もてんやわんやですわ」
「おまえ、なしくずし的にディアブロを導入しようとしているな?」
「まったく、とんだ叙述トリックですな。これだからニンゲンは油断できない」
「おまえがダメ悪魔なだけだと思うけどなー」
「いいえ、あなたの胸がぺたんこすぎるせいです」
「ぐぬ……と、とにかくクーリングオフな」
「えー」
「早くしろ。ぼくのカワイイ妹がO111にやられる前に」
「そんな物騒なモノ飼ってるんですか、あなたの身体は。胸もロクにないくせに」
「む……胸は関係ないだろうが」
「ところで、わたしもひとつ、告白することがございまして」
「なんだよ」
「じつはわたしも……女性だったんですねー」
「へー」

なにその意味のない叙述トリック。
もしこれがラノベだったら、まちがいなくゴミ箱にダンクシュートを叩きこんでるな、と思いながら、この場合、もっと太っていたほうがよかったんだろうか? どうだったんだろうか? とぼくはあらかたぼくを平らげてしまっていた妹の姿を見た。

「なるほど……食べる子はよく育つってやつですねえ。だから妹さんは上手に育ってるんですねえ。お姉さんとは違って」
「うるせえダメ悪魔」



どうでした?
西野センセイは、書いてみて、やっぱり自分に妹萌えは無理だな! と思いました!
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プロフィール

西野かつみ

Author:西野かつみ
西野かつみ(にしの かつみ)



もの書き。男。
第1回MF文庫Jライトノベル新人賞で佳作受賞。
2005年10月25日、受賞作の「かのこん」でMF文庫よりデビュー。
2008年3月現在、気がついたら「かのこん」を10冊以上出してた! びっくり!
いまのところまだ続く予定。



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ドラマCD
これはドラマCDとは違うんですが。
アニメにともなって放送されたネットラジオを収めたもの。
耕太役の能登さんとちずる役の川澄さんがあまりに仲が良くて、聴いてるとにまにましますぜ。

アニメの後日談的内容。
ちょっとえっちでちょっぴりおバカ。かのこんの本質をあらわした内容でございます。

かのこん1巻の内容を声で。
「ああん、耕太くぅん……」「はわわわわ、ち、ちずるさぁん」どうんだうん。
聴いているとなんかこう、身もだえてしまう。だれだ、こんな甘々らぶらぶちゅっちゅっちゅな話を書いたのは! ああ、わたしか! ごめん!
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