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西野かつみの日記(ぺにょぱにょ)

ラブな物語を書いてごはん食べてるひと、西野かつみのすこしは宣伝になればいいかなーという色気まじりな日記です

かいせつであってわいせつではない

作者が自分で解説するのもアレだなあ、とか思いつつ、けっこうアテクシさまたちが作った同人誌『みみっく』をご購入されたかたがいらっしゃるようですんで、ぼくの書いたやつだけテキトーなレビューを記してみるよ! 宣伝もかねて! かねかねかねごん!

★  ★  ★

えー、わたくし、『みみっく!』では掌編を四編書いております。
なんか掌編なら書くの楽かなー、と思って。
楽は楽だったんですけど、意外なところで苦労したりもした。
そんなおもひで。ぽろり。

★  ★  ★

・タイトル『ちちくらべ』について

文豪、樋口一葉の『たけくらべ』のパク……もとい、パロディというか、ほら、アレだよ、パスティーシュ? たぶんほとんどの人には伝わってないんだろうなー、と思ったのでここに記す也。
ちなみに『たけくらべ』はわたし、読めてません。
読んでないのではなく。
なんどか読もう読もうとチャレンジはしているんですけど、あまりに明治すぎる文体に、ついていけない。でもいつか読む。つもり。


・第一話『乳道異称目録』について

これもパク……パロディっていってるでしょーがっ!(逆ギレ)
タイトルと、末尾につけてる作者名でもおわかりかと思いますが、やはり文豪、内田百聞の『餓鬼道肴蔬目録』を元にしたもの。
『餓鬼道肴蔬目録』(「がきどうこうそもくろく」と読む)は、戦時中、食べるものもロクになくひもじい思いをしていた百間先生が、せめて記憶のなかから食べたいものだけでも列記してみよう……と書いたもの。
ひたすら食べものの名だけがならぶ。
本当に食べものの名だけ。
『さわら刺身』とか『たい刺身』とか『くさや』とか『ベーコン』とか、ずらーっと最後まで。
そのあまりのインパクトに打ちのめされたわたしは、そう、揉めるものもロクになくひもじい思いをしていたわたしは、せめてあの『やはらかなふくらみ』の名称を列記してみよう……と書いたのでした。本当にバカだなあ。

すこし記してみる。


乳房
おっぱい
おっぱぷー
あのやはらかなふくらみ

まあ、このあたりはまだ普通といえましょうが。

みるきーはママのあじー
みるきーは姉のあじー
ぼく専用えあばっぐ

だんだんここから狂ってくる。
いまあらためて読んでみたら『無敵要塞アヴァロン』とかありやんの。ヒドイな!

ちなみに、一番書くのに苦しんだのがこれでした。
そんなに名称なんて思いつかないって。
いま数えてみたら80個ぐらいあったし。
よくやったなあ、自分。


・第二話『重金属彼女』について

バンドやってる女の子(年上。だけど小柄。微妙にツンデレ気味)と、年下の男の子が部室でいちゃつくだけの話。
バンドものの小説、前から書きたかったんですよね。
いえ、べつにバンドが書きたいのではなく、ギターを弾く女の子との純愛プレイを描きたいだけなのですが。
だから書いたのです。
だから満足です。

そうそう、文体を主人公の一人称にしてあるのが目新しいところでしょうか。
お気づきのかたもおられましょうが、わたくし、『かのこん』におきましてはほとんど三人称で書いております。一人称と三人称の違いは、「ぼくはおっぱおをふにふにふにんした」と「耕太はおっぱおをふにふにふにんした」の違いだと思いねえ。

ちなみに最後の作者名にある『K.K.ダウニング』とは、メタルゴッドなメタルバンド、ジューダスプリーストのギタリストの名前から。ぜんぜん重金属=ヘビーメタルと関係ない話になっちゃったんで、せめてそこんところぐらいはと。


・第三話『ちちくらべ』について

表題作。
タイトルどおり、くらべてるだけです。
母と姉と妹と。
ナニをですか?
ナニをです。


・第四話『はじめての……』について

小学生の素直になれない男女がいちゃつくだけの話。
ジャンボ鶴田におけるジャンピング・ニーのような話です。
あら、わかりにくい?
じゃあ、アンダーテイカーにおけるオールドスクールのような話……プロレス技でたとえるのはダメですか、そうですか。
ではでは、JBことファンクの帝王、ジェームズ・ブラウンの失神……ってかえってわかりづらい?

ようするに得意技ってことでございますな。
だったら最初からそう書けって? ぬほほほほ。

とてもすんなりとできあがった話でした。
ところで、この話の文体が、微妙に、本当にビミョーに、池波正太郎を意識していたと気づいたかたはいらっしゃったでしょうか? どこが? といわれるとまったく返す言葉もないんですが。ほら、読者に語りかけるような感じがさ、どう? 感じない?

★  ★  ★

ここまで、作者による自作解説という、ある意味、通じなくてダダ滑りだったギャグをここはこうだから面白かったんだよと説明するに通じる恥ずかしい行為をわざわざ読んでくださったみなさまなら、もうおわかりかもしれません。

そう。

じつはわたし、ひそかに『みみっく!』にて文体の練習もしてたのさー!
金とって売る本で練習するなって?
まあいいじゃないですか。
だって、同人誌なのだから……!
(※同人誌であることはべつに免罪符ではありません)

一人称はすごく書くのが楽だった。
でも楽すぎて、ついつい書きすぎてしまうところがあった。
バランスが難しい。

池波文体……作者視点ってやつですか、読者に語りかける文体は、やっぱり楽だったけど、読者的にどうなんでしょうね。キャラクターに感情移入しづらいんじゃないのかなあ。どうしても突き放した感じになっちゃうから。

いろいろ勉強になりました。
あ、まだ終わってないや。
売ってますよ!
とらのあなとかメロンブックスにて!
詳細は同人誌のページにGo! だ!
  1. 2009/02/12(木) 09:23:30|
  2. 日記
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西野かつみ

Author:西野かつみ
西野かつみ(にしの かつみ)



もの書き。男。
第1回MF文庫Jライトノベル新人賞で佳作受賞。
2005年10月25日、受賞作の「かのこん」でMF文庫よりデビュー。
2008年3月現在、気がついたら「かのこん」を10冊以上出してた! びっくり!
いまのところまだ続く予定。



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「ああん、耕太くぅん……」「はわわわわ、ち、ちずるさぁん」どうんだうん。
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